LINE相談

更新日 2026.10.1 ニュース

単身赴任の手当が最大月3.5万円アップ!? 国家公務員に新しい「転居に関する手当」

こんにちは。公務員のライト専任講師の横溝です。

2026年8月7日に、人事院が国家公務員の給与に関する勧告の中で、転居を伴う転勤をした職員を対象とする「転居に関する手当」の新設を示しました。

そこでこの記事では、転居に関する手当の金額や対象、単身赴任手当との関係まで、一次情報に基づいて解説していきます。

この記事を書いた人

よこみぞ先生

公務員のライト専任講師

よこみぞ先生(横溝涼)

  • 公務員のライト「社会人コース」専任講師。元高校、元大原学園公務員専門学校の教職員。現在は公務員のライト専任講師として、既卒者や社会人経験者など「社会人受験」の指導が専門。わずか4年間で300名を超える「公務員転職者」を輩出。
  • 「論文・作文本」など3冊の執筆に携わり、Amazonベストセラー1位を獲得。

転居に関する手当の新設ポイント(2027年4月実施予定)

転居に関する手当のポイント(単身赴任でなくても対象・60km以上の転勤で転居した職員/最大 月105,000円・6,000円から距離で11区分/異動から3年間・2027年4月実施予定)

単身赴任かどうかを問わず、転居を伴う転勤をした職員を広く対象とする手当です。人事院は2027年4月からの実施を勧告しました。

今回示されたのは人事院の勧告で、実施には一般職の職員の給与に関する法律(給与法)の改正が必要です。

勧告の段階ですので、確定した制度として受け取らず、法改正の動きとあわせて追いかけましょう。
横溝先生横溝先生

転居に関する手当の支給額(距離区分別)

距離区分基礎額あり基礎額なし
60〜100km11,0006,000
100〜300km18,0009,000
300〜500km30,00013,000
500〜700km41,00018,000
700〜900km52,00022,000
900〜1,100km61,00026,000
1,100〜1,300km70,00029,000
1,300〜1,500km78,00033,000
1,500〜2,000km87,00036,000
2,000〜2,500km96,00040,000
2,500km〜105,00043,000

※ 金額は月額(円)。人事院勧告の別表第7「転居に関する手当の支給額(月額)」より。2027年4月施行の予定です。距離区分は左の数値以上・右の数値未満(2,500km〜は2,500km以上)。「基礎額あり」は単身赴任手当の基礎額(月3万円)が支給される職員で、本文では単身赴任者と呼んでいます。「基礎額なし」はそれ以外の職員です。単身赴任者には、この表の額とは別に基礎額 月3万円が支給されます。距離は異動前後の住居の間で測り、単身赴任者は職員の住居と配偶者の住居の間で測ります。

手当の月額は距離に応じて11区分に分かれ、額は最低6,000円から最高105,000円までです。

東京から大阪に異動する場合の例

人事院は、東京から大阪に異動する場合の手当額(年額)を約22万円、単身赴任者は約49万円と示しています。

単身赴任者には、このほかに二重生活の生計費を補助する基礎額(年間36万円)が支給されます。

距離が長くなるほど手当は大きくなります。単身赴任者と家族で転居する方とで額が分かれる点を押さえましょう。
横溝先生横溝先生

単身赴任手当との関係

単身赴任手当との関係(2,500km以上の区分で比較。単身赴任=現行 月100,000円→2027年4月から(勧告)月135,000円で+35,000円/家族と一緒に転居=対象外→最大 月43,000円)

転居に関する手当は、現行の単身赴任手当の加算額を分離・再編して設けられます。一律月額3万円の基礎額は対象を変えずに残ります。

現行の加算額は2027年4月に廃止され、転居に関する手当に置き換わります。加算額と新しい手当の両方を受けることはできません。

単身赴任者の上限額で比べると、現行の月100,000円(基礎額30,000円+加算額70,000円)が、勧告どおりなら月135,000円(基礎額30,000円+転居に関する手当105,000円)になり、35,000円のアップです。

※ 上限額は2,500km以上の区分の額です。合計額は人事院の資料にある基礎額と各手当の額を足したもの(公務員のライト調べ)。

現行の加算額は、職員と配偶者の住居の間の交通距離(実際の経路の長さ)が100km以上の場合に支給されますが、転居に関する手当は60km以上の区分から設けられています。配偶者と一緒に転居する職員は、現行の単身赴任手当では対象外ですが、転居に関する手当では対象になります。

105,000円は転居に関する手当の上限で、単身赴任手当そのものの額ではありません。基礎額の月3万円とは別に考えましょう。
横溝先生横溝先生

対象になる転勤と支給期間

  • 対象:官署を異にする異動を行った職員
  • 異動の距離:異動前の住居から60km以上離れた官署への異動
  • 転居:異動に伴う転居があり、異動前後の住居の間の距離も60km以上
  • 権衡上の対象:上記の職員との権衡上必要と認められる職員にも支給
  • 支給期間:異動から3年間(単身赴任者はやむを得ない場合に3年間を超えて延長可)
  • 期間中の再転居:手当の額を調整

※ 支給の開始は、異動の日の属する月の翌月(月の初日に異動した場合はその月)からで、そこから3年間です。

距離の条件は、異動前の住居から新しい官署までと、異動前後の住居の間の両方にかかります。

支給される期間は異動から3年間で、単身赴任者は延長できる場合があります。

2027年4月より前に転勤した人の経過措置

2024年4月2日から2027年3月31日までの間に、60km以上の異動に伴って転居した職員等にも手当を支給する経過措置が示されています。

施行日前に単身赴任手当の加算額を受けている職員についても、経過措置が設けられます。細目は今後の法改正や人事院規則で示される見込みです。

支給は3年間が基本です。転勤の時期によっては経過措置の対象になりますので、異動の日付を確認しておきましょう。
横溝先生横溝先生

転勤に関する手当の見直しの全体像

転勤に関する手当の見直し(①転居に関する手当 新設 2027年4月実施予定/②広域異動手当 8%・16%へ引上げ 2026年4月に遡って実施予定/③特地勤務手当に準ずる手当 対象を拡大 2027年4月実施予定)

見直しの背景には、働き方や価値観の多様化で転勤を敬遠する傾向があります。人事院は、転勤に伴う経済的な負担が転勤を敬遠する大きな理由だとしています。

今回の勧告では、転居に関する手当の新設に加えて、広域異動手当の支給割合の引上げ(5%→8%・10%→16%・2026年4月に遡って実施の予定)と、特地勤務手当に準ずる手当の支給対象官署の拡大(2027年4月実施予定)が報告の中で示されました。

さらに、転勤に関する手当を再編・統合した総合的な手当の新設も検討されており、2027年夏に報告できるよう検討が進められています。

私もこれまで、転勤や単身赴任への不安について多くのご相談をいただいてきました。負担の軽減が制度として示された意味は大きいです。
横溝先生横溝先生

転職を考える社会人が押さえておきたいこと

  • 転勤の有無や異動の範囲は、受験先や配属される官署によって異なること
  • 採用時の転居の扱いは明記されていないこと(現行の単身赴任手当は採用に伴う転居も対象で、新しい手当も権衡上必要な職員に支給するとされている)
  • 単身赴任か家族と一緒に転居するかで、手当の額が変わること
  • 確定した内容は、法改正後の人事院の案内で確認する必要があること

採用時の転居がどう扱われるかは、今後公表される人事院規則などでご確認ください。

年齢や働きながらの受験で迷っている方は、30歳から公務員試験は間に合う?受けられる試験と戦略もあわせてご覧ください。

ご相談を受けていても、転勤の範囲は受験先ごとに大きく違います。手当の話だけで判断せず、受験案内で異動の範囲まで確かめましょう。
横溝先生横溝先生

受験先の選び方や、働きながらの学習計画は、公務員のライトの無料受講相談で個別にお答えしています。

受講面談募集中|あなたに合った受講プランを一緒に考えます

予約公務員のライトの無料受講相談はこちら

転居に関する手当のよくある質問

家族と一緒に引っ越す場合も対象ですか

勧告どおり実施されれば対象です。転居に関する手当は、単身赴任かどうかを問わず転居を伴う転勤をした職員が対象です。基礎額が支給されない職員の月額は、距離に応じて6,000円から43,000円です。

すでに単身赴任している人はどうなりますか

単身赴任手当の基礎額(一律月額3万円)は、対象を変えずに残ります。現行の加算額は2027年4月に廃止されて転居に関する手当に置き換わり、施行日前に加算額を受けている職員には経過措置が設けられます。細目は今後の法改正や人事院規則で示される見込みです。

必ず2027年4月から始まりますか

そうとは限りません。今回示されたのは人事院の勧告で、実施には給与法の改正が必要です。国会での審議を経て法律が改正されれば、2027年4月から実施される見込みです。

地方公務員も対象ですか

今回の勧告は国家公務員を対象としたものです。地方公務員の取扱いについては、この勧告では示されていません。志望先の自治体が公表する情報でご確認ください。

まとめ|国家公務員の転居に関する手当の新設

  • 転居を伴う転勤をした職員を広く対象とする「転居に関する手当」の新設
  • 単身赴任かどうかを問わない支給(現行の加算額は2027年4月に廃止して再編)
  • 月額は距離に応じて11区分・6,000円から105,000円
  • 対象は60km以上離れた官署への異動に伴う転居で、住居の間の距離も60km以上
  • 支給期間は異動から3年間(単身赴任者はやむを得ない場合に延長可)
  • 人事院が2027年4月からの実施を勧告・実施には給与法の改正が必要

勧告どおり法改正されれば、転勤に伴う転居の経済的な負担は大きく軽くなります。

転勤への不安は、公務員への転職を考えるときに必ず出てくるテーマです。制度の動きを押さえ、志望先の異動の範囲も確かめましょう。
横溝先生横溝先生

働きながらの合格を、講師がマンツーマンで支えます

受験先選びから筆記・論文・面接まで、あなた専用のスケジュールで進める個別指導コースです。

指導マンツーマン個別指導を詳しく見る

公務員のライトの転職サポート

公務員のライトでは、社会人・既卒の方向けに、受験先選びから筆記・論文・面接対策までをLINEで個別にサポートしています。

「自分はどの試験を受けられるのか」「働きながら間に合うのか」など、個別の状況に合わせたご相談は無料です。お気軽にご相談ください。

※ 出典:人事院(2026年8月7日公表)「令和8年人事院勧告・報告の概要」/人事院「令和8年 報告文・勧告文」(2026年)別紙第2・別表第7・別紙第3/一般職の職員の給与に関する法律第12条の2/人事院「国家公務員の諸手当の概要(令和8年4月現在)」(2026年4月現在)/人事院規則9―89(単身赴任手当)/公務員のライト調べ ※ いずれも2026年9月16日時点