公務員はホワイト?激務部署・落ち着いた部署の実態
こんにちは。公務員のライト専任講師の横溝です。
社会人の方から「公務員は本当に定時で帰れるのか、激務の部署もあるのか」というご相談が多くあります。
そこでこの記事では、公務員の忙しさが職場で大きく違うことを、激務になりやすい部署から転職前の確かめ方まで、公式のデータに基づいて徹底解説していきます。
この記事を書いた人
公務員のライト専任講師
よこみぞ先生(横溝涼)
- 公務員のライト「社会人コース」専任講師。元高校、元大原学園公務員専門学校の教職員。現在は公務員のライト専任講師として、既卒者や社会人経験者など「社会人受験」の指導が専門。わずか4年間で300名を超える「公務員転職者」を輩出。
- 「論文・作文本」など3冊の執筆に携わり、Amazonベストセラー1位を獲得。
公務員の忙しさ

公務員の忙しさは、同じ公務員でも職場によって大きく違います。国の場合、2025年の残業時間は、中央省庁(本府省)が本府省以外の職場の2倍でした。
横溝先生国家公務員の残業時間
人事院の調査では、2025年の国家公務員の残業(超過勤務)は、平均で年224時間でした。本府省は372時間、本府省以外は186時間です。
本府省の中でも、総合職試験で採用された職員は458.6時間と、さらに長くなっています。
※ 人事院「国家公務員の超過勤務の実態」(2025年分)に基づく、2025年1月〜12月の1人あたりの平均です。2025年1月2日以降に採用された職員、育児休業中の職員、本府省の課長級以上の職員などは含みません。
地方公務員の残業時間
総務省の調査では、2024年度の地方公務員の時間外勤務は、平均で年140.0時間(月11.7時間)でした。都道府県が161.2時間、指定都市が152.3時間、市区町村が128.4時間です。
月ごとの職員数を合計した延べ人数でみると、月45時間を超えて時間外勤務をした職員は4.7%、月100時間以上は0.3%でした。
※ 総務省「地方公共団体の勤務条件等に関する調査結果」(2024年度)に基づきます。警察・消防・教育委員会の職員と管理職は含みません。国の調査とは対象が違うため、国と地方の数字は単純には比べられません。
残業時間のくわしいデータと残業代の仕組みは、別の記事で解説する予定です。
激務になりやすい部署

残業の上限を超える人の割合が高いのは、仕事の量や時期を自分で決めにくい「他律部署」です。上限を超えた職員が担当していた主な仕事には、国会対応や予算などが挙がっています。
他律部署とは
他律部署とは、仕事の量や実施する時期などを自分たちで決めることが難しい業務の割合が高い部署のことです。人事院の規則にもとづいて、各省各庁の長が指定します。国の本府省では、予算定員(予算で決められた職員の数)でみると約8割(78.4%)が他律部署です。
他律部署では、残業の上限が原則の月45時間・年360時間より広く、月100時間未満・年720時間以下などとされています。2024年度に他律部署で上限を超えた職員は、年度末の予算定員に対して15.5%、本府省では26.7%でした。
横溝先生国会対応・法律の立案・国際交渉の仕事
2024年度に他律部署で上限を超えた職員の仕事で、最も多かったのは国会対応業務の20.5%でした。予算・会計関係が13.3%、重要な政策に関する法律の立案が9.8%、他国や国際機関との重要な交渉が8.3%と続きます。
※ 人事院「上限を超えて超過勤務を命ぜられた職員の状況に関する調査」(2024年度)に基づきます。上限を超えた職員を100%とした割合で、1人が複数の業務に当てはまる場合があります。各府省に固有の業務などで上限を超えた職員もいます。対象は原則2024年4月〜2025年3月で、公正取引委員会・財務省・国税庁は2024年7月〜2025年6月です。
予算・人事などの取りまとめの仕事
自律部署(他律部署以外の部署)で上限を超えた職員の仕事は、予算・会計関係が16.1%で最も多く、人事・給与関係が11.1%でした。予算や人事の仕事は、本府省に限らず、どの役所にもある仕事です。
災害が起きたときの対応
大規模災害への対処は「特例業務」の1つで、その処理のために必要な場合は、上限を超えて残業を命じられることがあります。2024年度に自律部署で上限を超えた職員のうち、10.0%が大規模災害への対処に当たっていました。
横溝先生落ち着いて働きやすい職場

国の本府省以外の職場では、職員の85.5%が年360時間以内の残業でした(2025年)。本府省の54.4%と比べると、残業が少ない人の割合が高くなっています。
国の本府省以外の職場
本府省以外の職場とは、地方にある国の機関などです。年721時間以上の残業をした職員は、本府省の11.0%に対し、本府省以外では0.4%でした。
本府省以外の職場では、他律部署の割合は予算定員でみて15.8%です。残りの84.2%は、原則の上限(月45時間・年360時間)が当てはまる自律部署です。
横溝先生地方公務員の本庁と出先機関
本庁は自治体の中心となる庁舎で働く部署、出先機関は地域に置かれた事務所や施設のことです。
総務省が2015年度の時間外勤務を調べた調査では、本庁が年219.6時間、出先機関等が118.8時間でした。本庁は出先機関の1.85倍です。
※ 総務省「地方公務員の時間外勤務に関する実態調査結果」(2017年公表)に基づく2015年度の数字です。対象は、都道府県・政令指定都市・県庁所在市の知事部局と市区長部局の職員(管理職を除く)です。10年前の調査のため、現在の状況とは違う場合があります。
落ち着いた職場でも忙しい時期
2024年度の地方公務員の時間外勤務を月別に見ると、4月が13.4時間、10月が14.7時間、3月が14.1時間と多くなっていました。最も少ないのは12月の9.9時間です。
2015年度の調査でも、4月と3月に時間外勤務が多くなっています。年度の始まりと終わりは、忙しくなりやすい時期です。
民間から転職する人が知っておきたい部署と忙しさのポイント

転職前に知っておきたいのは、公務員の忙しさが配属先で大きく変わることです。配属や異動の仕組みと、受験先のデータを確かめておきましょう。
配属先の決まり方
配属先を決めるのは、各省の大臣や自治体の長などの任命権者です。本人が配属先を自由に選べる仕組みではありません。
異動による忙しさの変化
公務員には異動があるため、ずっと同じ部署で働くとは限りません。忙しい部署から落ち着いた職場に移ることもあれば、その逆もあります。異動の時期や間隔は、職場によって違います。
受験先の残業データの確かめ方
国家公務員を目指す方は、人事院が公表している「上限を超えて超過勤務を命ぜられた職員の状況に関する調査」で、府省ごとの状況を確かめられます。
地方公務員は、自治体が毎年「人事行政の運営等の状況」として、勤務時間などの勤務条件の状況を公表しています。残業時間の数字が載っているかは自治体によって違うため、志望先の資料で確かめましょう。
横溝先生残業代(超過勤務手当)の仕組みは、公務員の手当一覧でも紹介しています。
受験先の選び方や、働きながらの学習計画は、公務員のライトの無料受講相談で個別にお答えしています。

公務員の忙しさに関するよくある質問
公務員の残業には上限がありますか
国家公務員の上限は、原則として月45時間・年360時間です。他律部署は月100時間未満・年720時間などで、特例業務の処理に必要な場合は上限を適用しない扱いがあります。
地方公務員の上限は、それぞれの自治体が条例や規則で定めます。
激務の部署に配属されたら、ずっとそのままですか
公務員には異動があるため、同じ部署にずっといるとは限りません。異動の時期や間隔は職場によって違うので、気になる方は説明会などで確かめましょう。
国家公務員と地方公務員はどちらが忙しいですか
国と地方では調査の対象が違うため、どちらが忙しいとは単純に比べられません。国は本府省か本府省以外か、地方は都道府県・市区町村の違いや本庁か出先機関かで、残業時間に差が出ています。
残業が少ない部署はどこですか
国の2025年のデータでは、本府省以外の職場で残業が少なくなっています。ただし、同じ職場でも課や時期で忙しさは変わるため、特定の部署なら残業がないとは言えません。
公務員にも残業代は出ますか
出ます。国家公務員には、残業をした時間に応じて超過勤務手当が支給されます。地方公務員の時間外勤務手当は、地方自治法にもとづいて、それぞれの自治体が条例で定めます。
横溝先生まとめ|公務員の激務部署と落ち着いた部署
- 公務員の忙しさは、同じ公務員でも職場によって大きな差
- 国の本府省の残業は年372時間で、本府省以外(186時間)の2倍(2025年)
- 上限を超えた職員の主な仕事は、国会対応・予算・法律の立案・国際交渉など
- 本府省以外の職場では、職員の85.5%が年360時間以内(2025年)
- 地方公務員の平均は年140.0時間(2024年度)
- 配属先は任命権者が決め、異動で職場も変わる仕組み
公務員は「ホワイトか、激務か」の二択ではなく、職場によって働き方が大きく変わる仕事です。志望先の働き方をデータで確かめてから、転職の計画を立てましょう。
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※ 出典:人事院「国家公務員の超過勤務の実態」(2025年分・2026年8月公表)/人事院「上限を超えて超過勤務を命ぜられた職員の状況に関する調査」(2024年度・2026年1月公表)/総務省「地方公共団体の勤務条件等に関する調査結果」(2024年度)/総務省「地方公務員の時間外勤務に関する実態調査結果」(2017年公表)/人事院規則15-14(職員の勤務時間、休日及び休暇)/国家公務員法 第55条/地方公務員法 第6条・第58条の2/一般職の職員の給与に関する法律 第16条/地方自治法 第204条 ※ いずれも2026年10月9日時点





