公務員は男性も育休を取れる?取得率と育休・産休の期間・お金
こんにちは。公務員のライト専任講師の横溝です。
社会人の方から「公務員になったら、男性でも育休を取れるのか」というご相談が多くあります。
そこでこの記事では、公務員の育休・産休の仕組みから、育休中のお金、男性の育休取得率まで、公式のデータに基づいて徹底解説していきます。
この記事を書いた人
公務員のライト専任講師
よこみぞ先生(横溝涼)
- 公務員のライト「社会人コース」専任講師。元高校、元大原学園公務員専門学校の教職員。現在は公務員のライト専任講師として、既卒者や社会人経験者など「社会人受験」の指導が専門。わずか4年間で300名を超える「公務員転職者」を輩出。
- 「論文・作文本」など3冊の執筆に携わり、Amazonベストセラー1位を獲得。
公務員の育休・産休とは

公務員には、出産から子どもの小学校入学まで、時期ごとに休みや働き方の制度があります。この記事で紹介する日数や条件は、一般職の国家公務員の制度です。
横溝先生産休(産前・産後の休暇)
女性職員は、出産予定日の6週間前(多胎妊娠は14週間前)から、申し出れば産前の休暇を取れます。出産の翌日から8週間は産後の休暇です。どちらも特別休暇です。
男性職員には、妻の出産に合わせた「配偶者出産休暇」(2日以内)と「育児参加のための休暇」(5日以内)があります。国の資料では、この2つを「男の産休」と呼んでいます。
育休(育児休業)
育児休業は、子どもを育てるために仕事を休む制度で、男性も女性も取れます。休んでいる間も職員の身分は残りますが、給与は支給されません。
育児休業の期間と回数
国家公務員の育休は、子どもが3歳になるまで取れます。同じ子どもについて、原則として2回まで分けて取れます。
横溝先生育休を取れる期間
常勤職員は、子どもが3歳に達する日まで育休を取れます。始めたい日の1か月前まで(出生後57日以内に取る場合などは2週間前まで)に請求します。
人事院規則で育休を取れない職員とされているのは、任期を定めて採用された職員の一部や、条件を満たさない非常勤職員などです。常勤職員について、勤続期間の長さは条件になっていません。
育休を取れる回数と産後パパ育休
子どもの出生から57日以内に取る育休は「産後パパ育休」と呼ばれ、原則の2回とは別に2回まで取れます。配偶者の入院や、保育所に入れないといった特別な事情がある場合は、2回を超えて取れることもあります。
※ 国家公務員の育児休業等に関する法律 第3条・第5条、人事院規則19-0 第3条〜第5条、人事院「育児休業 常勤職員向けQ&A」に基づきます。非常勤職員は、原則として子どもが1歳になるまでです。
育休中のお金

育休中は給与が支給されません。原則として子どもが1歳になるまでは、共済組合から育児休業手当金が支給されます。
共済組合は、国家公務員の医療保険や年金などを扱う組合です。手当金は、最初の180日は標準報酬日額の67%、その後は50%です。標準報酬日額は、共済組合が給与をもとに決める1日あたりの額です。
横溝先生給与と育児休業手当金
夫婦ともに育休を取る場合は、子どもが1歳2か月になるまで支給の対象になりますが、本人への支給は最長1年間です。保育所に入れない場合などは、1歳6か月、最長で2歳まで延びます。
さらに、「育児休業支援手当金」として標準報酬日額の13%が上乗せされる場合があります。条件は、子どもの出生直後の決められた期間に、本人が通算14日以上の育休を取ることです。配偶者も、原則として出生後8週間ほどの間に14日以上の育休を取る必要があります。上乗せは、同じ子どもについて最大28日分です。
※ 国家公務員共済組合法 第68条の2・第68条の3に基づきます。いずれも雇用保険の給付に相当する額が上限です。本人の期間は、男性などは子どもの出生から56日を経過する日の翌日まで、産後の休業をした本人は出産予定日や出生日に応じて決まります。配偶者がいない場合や、配偶者が産後の休業をした場合などは、配偶者の育休の条件はかかりません。
共済掛金の免除
育休中は、申し出をすれば共済組合の掛金が免除されます。ただし、育休が同じ月の中で始まって終わる場合は、その月の育休が14日以上あることが条件です。
復職後の給与(号俸の調整)
育休を取ると、その期間は昇給の判定に入らないため、復帰したときの給与が少し低くなることがあります。そこで復帰のときに、育休の期間を100分の100以下の割合で勤めた期間として数え直し、号俸(給与表の中の段階)を調整します。
男性公務員の育休取得率

2024年度に一般職の国家公務員の男性で、1週間以上の育休を取った人の割合は84.2%でした。政府の2025年の目標(1週間以上85%)を、0.8ポイント下回る水準です。
※ 取得率は、その年度に子どもが生まれた職員の数に対する、同じ年度に新たに育休を取った職員の数の割合です。前の年度に生まれた子どもの分も含むため、100%を超えることがあります。「1週間以上」と「期間を問わない」は数え方が違うため、図では分けて示しています。民間企業の値(40.5%)は総務省の資料に参考として載っている値で、調査の対象や方法が違うため単純には比べられません。
国家公務員(一般職)の取得率
内閣人事局の調査では、2024年度の一般職の男性職員の取得率は、1週間以上が84.2%でした。2週間以上は79.4%です。育休の期間の平均は、男性が2.6か月、女性が16.4か月でした。
横溝先生地方公務員の取得率
総務省の調査では、2024年度の地方公務員の男性の取得率(期間を問わない)は、全体で58.5%でした。一般行政部門は75.0%で、うち1週間以上は73.4%です。一方、消防部門は47.1%、教育委員会は40.4%と、部門によって差があります。
男性の「産休」
対象は、国家公務員(一般職と防衛省の特別職)の男性職員です。配偶者出産休暇と育児参加のための休暇を合わせて5日以上使った割合は、2024年度で85.6%でした。
国は、子どもが生まれたすべての男性職員が、1か月以上を目安に育児のための休暇や休業を取れることを目指しています。2023年度に子どもが生まれた男性職員のうち、出生後1年以内に育休や年休などを合わせて1か月以上取った人は76.6%でした。平均の取得日数は61日です。
※ 内閣人事局「男性国家公務員の育児に伴う休暇・休業の1か月以上取得促進に係るフォローアップ」(2025年11月28日公表)に基づきます。対象は一般職(行政執行法人を除く)と防衛省の特別職の男性職員です。育児休業、育児時間、配偶者出産休暇、年次休暇など11の休暇・休業を合わせて数えています。
育休後の働き方
育休から戻ったあとも、子どもが小学校に入るまでは、勤務時間を短くする制度を使えます。
育児短時間勤務
小学校入学前の子どもを育てる職員は、短い時間で働けます。勤務の形は、1日3時間55分や4時間55分、週3日の勤務など、決められた中から選びます。
2歳未満の子どものために時短勤務をした月は、共済組合から「育児時短勤務手当金」として、報酬の10%を上限に支給されることがあります。
育児時間
育児時間は、勤務時間の一部または全部を休める制度です。2025年10月からは、「1日2時間まで」と「1年に10日分まで」のどちらかを、1年ごとに選べるようになりました。「1年に10日分まで」を選ぶと、1日単位でも使えます。休んだ時間の分は給与が減額されます。
横溝先生民間から転職する人が知っておきたい育休のポイント

転職を考えるときは、制度の中身と職場ごとの取得率の両方を、志望先ごとに確かめておくことが大切です。
法律で決まっている制度(国家公務員の場合)
国家公務員の育休の期間や回数は、法律と人事院規則で決まっています。常勤職員として採用されれば、勤続期間の長さに関係なく、制度の対象になります。
職場ごとの取得率の差
同じ地方公務員でも、一般行政部門と消防部門では、男性の取得率に30ポイント近い差があります。志望先の職種や部門の取得率も確かめておきましょう。
地方公務員の育休の確かめ方
地方公務員の育休は、地方公務員の育児休業等に関する法律と、それぞれの自治体の条例で定められます。手当金も加入する共済組合によって決まるため、志望先の資料で確かめましょう。
休日や年休の制度は、公務員の休みは何日?で解説しています。
横溝先生受験先の選び方や、働きながらの学習計画は、公務員のライトの無料受講相談で個別にお答えしています。

公務員の育休・産休に関するよくある質問
男性も育休を取れますか
取れます。2024年度には、一般職の国家公務員の男性の84.2%が1週間以上の育休を取りました。出生後57日以内に取る「産後パパ育休」もあります。
育休中に給料は出ますか
給与は支給されません。原則として子どもが1歳になるまでの期間は、共済組合から育児休業手当金が支給されます。最初の180日は標準報酬日額の67%、その後は50%です。
育休を取ると昇給に影響しますか
影響が出ることはあります。ただし復帰したときに、育休の期間を100分の100以下の割合で勤めた期間として数え直します。そのうえで、号俸(給与表の中の段階)を調整する仕組みがあります。
横溝先生まとめ|公務員の育休・産休
- 産休は産前6週間・産後8週間(国家公務員)
- 育休は子どもが3歳になるまで、原則2回(産後パパ育休は別に2回)
- 育休中は給与なし。子が原則1歳までは共済組合から育児休業手当金(最初の180日は67%)
- 条件を満たすと、13%の上乗せ(最大28日分)
- 国家公務員(一般職)の男性の育休取得率は84.2%(1週間以上・2024年度)
- 地方公務員は部門で取得率に差があり、条例で制度を確認
公務員の育休・産休は、法律で細かく決められています。制度と職場の取得率の両方を確かめておくと、家族と転職後の生活を具体的に話し合えます。
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※ 出典:国家公務員の育児休業等に関する法律/人事院規則19-0(職員の育児休業等)/国家公務員共済組合法/人事院「育児休業 常勤職員向けQ&A」/人事院「一般職の国家公務員の休暇制度(概要)」/人事院「人事院規則等の改正(2025年10月1日施行分)のポイント」/内閣官房内閣人事局・人事院「国家公務員の育児休業等の利用状況に関する調査結果について」(2025年11月28日公表・2026年8月7日一部訂正)/総務省「地方公共団体の勤務条件等に関する調査結果の概要」(2024年度・2025年12月公表) ※ いずれも2026年10月9日時点





