LINE相談

更新日 2026.10.20 国家公務員

社会人から裁判所事務官になれる?大卒程度・社会人区分・経験者選考の違い

こんにちは。公務員のライト専任講師の横溝です。

社会人の方から「裁判所事務官に、社会人からでもなれるのか」というご相談が多くあります。

そこでこの記事では、裁判所事務官の仕事から、社会人が受けられる3つの方法、試験の内容と倍率まで、公式の資料に基づいて徹底解説していきます。

この記事を書いた人

よこみぞ先生

公務員のライト専任講師

よこみぞ先生(横溝涼)

  • 公務員のライト「社会人コース」専任講師。元高校、元大原学園公務員専門学校の教職員。現在は公務員のライト専任講師として、既卒者や社会人経験者など「社会人受験」の指導が専門。わずか4年間で300名を超える「公務員転職者」を輩出。
  • 「論文・作文本」など3冊の執筆に携わり、Amazonベストセラー1位を獲得。

裁判所事務官とは

裁判所事務官とは:裁判所事務官は、裁判部(裁判の事務)と事務局(司法行政事務)で、裁判と組織の運営を支える職員

裁判所事務官は、各地の裁判所の裁判部や事務局で働く職員です。裁判の事務と、裁判所という組織の運営の両方を支えます。

裁判所の仕事は、裁判官や書記官だけでは成り立ちません。事務官は、裁判と組織の両方を支える大切な役割です。
横溝先生横溝先生

裁判部と事務局の仕事

裁判部では、裁判所書記官の仕事を補助します。裁判所の採用ページでは、訴訟関係の書類の受け渡しや法廷の準備、来庁者の対応などが例として紹介されています。事務局では、総務課・人事課・会計課などで、裁判所の運営に関わる司法行政事務を担当します。

裁判所職員の身分

裁判所職員は、特別職の国家公務員です。裁判所の採用試験は、人事院が行う国家公務員の試験とは別に、裁判所が独自に行っています。

一方、服務の決まりは国家公務員法の規定が準用され、給与も試験の種類に応じて、人事院の試験で採用された職員と同じように支給されます。

社会人から裁判所事務官になる方法

社会人から裁判所事務官になる方法:一般職試験(大卒程度区分)・一般職試験(社会人区分)・社会人経験者選考採用の年齢・経験の条件・実施の違い

社会人が裁判所事務官になる方法は、年齢と職務経験によって変わります。

一般職試験(大卒程度区分)

毎年行われている試験で、21歳以上30歳未満であれば、学歴を問わず受けられます。2026年度は、1996年4月2日から2005年4月1日までに生まれた人が対象でした。

30歳未満の社会人であれば、まずこの試験が中心になります。同じ年齢の範囲で受けられる総合職試験(大卒程度区分)もあり、申込みのときに特例を希望すると、総合職試験とあわせて一般職試験の合否判定も受けられます。

一般職試験(社会人区分)

採用予定がある場合に行われる試験で、20歳以上40歳未満の人が受けられます。毎年行われるとは限らないので、受けたい年度に実施されるかを、裁判所の採用ページで確かめる必要があります。

社会人経験者選考採用

民間企業や官公庁などで、一定期間以上、正社員や正規職員として働いた経験がある人を選考で採用する制度です。採用されると、係長級の裁判所事務官(主任・調査員)として働きます。採用時の給与は、これまでの経験年数や職歴などを踏まえて個別に決められます。

選考は裁判所ごとに行われるため、必要な経験の年数や年齢などの条件は、勤務を希望する裁判所の募集要項で確かめます。

このほか、裁判所を退職した元職員を選考で再び採用する制度もあります。

30歳を過ぎている方も、社会人区分や社会人経験者選考という道があります。ご自身の年齢と経験で、どの方法が使えるかを最初に整理しましょう。
横溝先生横溝先生

一般職試験(大卒程度区分)の試験内容と日程

試験種目内容
第1次基礎能力試験30題(知能24題・知識6題)
第1次専門試験30題(憲法・民法と
選択1科目)
第2次論文試験小論文1題
(第1次試験日に実施)
第2次人物試験個別面接

一般職試験(大卒程度区分)は、基礎能力試験と専門試験の筆記と、論文、個別面接で行われます。

試験の科目

専門試験は、憲法と民法が必須で、行政法・刑法・経済理論から1科目を選びます。どの科目を解くかは、試験当日に問題を見てから選べます。

配点の比率は、基礎能力試験と専門試験がそれぞれ20分の5、論文試験が20分の2、人物試験が20分の8です。個別面接の比率がいちばん大きく、社会人としての経験を伝える場にもなります。

また、筆記試験には科目ごとに最低限必要な点(下限の得点)があり、1つでも届かないと不合格になります。2026年度の下限の得点は、基礎能力試験が30点中11点、専門試験が30点中12点でした。

2026年度の日程

2026年度は、申込みが3月13日から4月6日まで、第1次試験が5月9日でした。第2次試験の個別面接は6月8日から7月3日までの指定日に行われ、最終合格の発表は7月29日でした。

筆記試験は、希望する勤務地にかかわらず、全国の試験地から選んで受けられます。個別面接は、希望する勤務地を管轄する高等裁判所の区域内で受けます。

なお、同じ年度に家庭裁判所調査官補の試験と併願することはできません。

試験の実施結果

2026年度は、有効受験者8,131人に対して最終合格者は1,821人で、実質倍率は3.99倍でした。2025年度は3.79倍です。

希望する勤務地別に見ると、2026年度は東京高等裁判所の管轄区域の申込者が4,011人で最も多く、全体の申込者は9,911人でした。

専門試験は、細かな知識より、基本的な知識や理解を重視すると裁判所が説明しています。法律の基礎から順に積み上げていきましょう。
横溝先生横溝先生

採用後の働き方とキャリア

一般職試験で採用されると、希望した勤務地を管轄する高等裁判所の区域内の裁判所で働きます。

勤務時間と異動

勤務時間は1日7時間45分で、土・日曜日と祝日、年末年始が休みです。年次休暇は年20日で、4月1日に採用された場合、採用の年は15日です。

異動はおおむね3年を目安に行われ、採用された裁判所のある都道府県の中での異動が一般的です。上位のポストに昇進すると、県をまたぐ異動もあります。

裁判所書記官へのキャリア

裁判所で一定期間働いた後、裁判所職員総合研修所の裁判所書記官養成課程の入所試験に合格し、研修を受けると、裁判所書記官になれます。

裁判所書記官は、裁判の記録の作成・保管や、法律で定められた手続の事務、裁判官が行う法令や判例の調査の補助などを担当します。社会人経験者選考で採用された人も、この内部試験で書記官を目指せます。

社会人経験者選考で採用された人には、配属先で社会人経験を踏まえたOJTが行われます。職種や経験に応じた研修も用意されていて、出身学部やこれまでの経験にかかわらず、仕事に必要な法律の知識を身につけられます。

事務官として経験を積んだあと、書記官を目指す道もあります。長く働く中でのキャリアも、受験の前に知っておきましょう。
横溝先生横溝先生

民間から転職する人が知っておきたい裁判所事務官のポイント

社会人から目指す場合は、自分の年齢と職務経験で、どの方法が使えるかを最初に確かめることが大切です。

自分の年齢と経験で受けられる方法

30歳未満であれば一般職試験(大卒程度区分)を受けられます。40歳未満で、社会人区分が実施される年であれば、社会人区分も選べます。

正社員などとして一定期間以上働いた経験がある人は、社会人経験者選考も候補になります。

社会人経験者選考の確かめ方

社会人経験者選考は、裁判所ごとに実施されます。裁判所の採用ページにある実施予定の裁判所と、それぞれの募集要項で、条件と日程を確かめましょう。

法律の勉強が初めての方も、基礎から段階を踏めば十分に対策できます。受けられる方法を整理したうえで、学習の計画を立てていきましょう。
横溝先生横溝先生

受験先の選び方や、働きながらの学習計画は、公務員のライトの無料受講相談で個別にお答えしています。

受講面談募集中|あなたに合った受講プランを一緒に考えます

予約公務員のライトの無料受講相談はこちら

裁判所事務官に関するよくある質問

法学部でなくても受けられますか

受けられます。裁判所によると、法学部のほか、経済学部・文学部・教育学部・理学部など、さまざまな学部の出身者が働いています。採用後の研修で、法律の知識を身につける機会もあります。

社会人区分は毎年ありますか

毎年とは限りません。社会人区分は、採用予定がある場合に行われる試験です。受けたい年度に実施されるかを、裁判所の採用ページで確かめましょう。

転勤はありますか

異動はおおむね3年を目安に行われます。採用された裁判所のある都道府県の中での異動が一般的ですが、上位のポストでは県をまたぐこともあります。

気になる点は一つずつ確かめて、自分に合う受け方を選びましょう。
横溝先生横溝先生

まとめ|社会人から裁判所事務官になる方法

  • 裁判所事務官は、裁判部や事務局で裁判と組織の運営を支える特別職の国家公務員
  • 一般職試験(大卒程度区分)は21歳以上30歳未満なら学歴を問わず受験可能
  • 社会人区分は20歳以上40歳未満、採用予定がある年だけ実施
  • 社会人経験者選考は裁判所ごとに実施、採用時から係長級
  • 2026年度の一般職試験(大卒程度区分)の実質倍率は3.99倍

社会人から裁判所事務官を目指す方法は、年齢と職務経験によって変わります。自分に合う方法を確かめたうえで、試験の準備を進めましょう。

裁判所事務官を目指す方の学習計画も、一緒に考えていきましょう。
横溝先生横溝先生

働きながらの合格を、講師がマンツーマンで支えます

受験先選びから筆記・論文・面接まで、あなた専用のスケジュールで進める個別指導コースです。

指導マンツーマン個別指導を詳しく見る

公務員のライトの転職サポート

公務員のライトでは、社会人・既卒の方向けに、受験先選びから筆記・論文・面接対策までをLINEで個別にサポートしています。

「自分はどの試験を受けられるのか」「働きながら間に合うのか」など、個別の状況に合わせたご相談は無料です。お気軽にご相談ください。

出典:裁判所「試験の概要」/裁判所「2026(令和8)年度 裁判所職員採用試験(裁判所事務官)受験案内」/裁判所「中途採用(社会人経験者選考採用・元職員の再雇用)」/裁判所「採用Q&A」/裁判所「2026(令和8)年度実施結果 一般職試験(裁判所事務官、大卒程度区分)」/裁判所「裁判所で活躍するProfessional:裁判所事務官」/裁判所「裁判所書記官」(いずれも2026年10月13日時点)

画像『裁判所事務官とは』:裁判所「中途採用(社会人経験者選考採用・元職員の再雇用)」/画像『社会人から裁判所事務官になる方法』:裁判所「試験の概要」「中途採用(社会人経験者選考採用・元職員の再雇用)」

※ 裁判所職員が特別職の国家公務員であることは、国家公務員法 第2条第3項第13号によります。

※ 表『一般職試験(大卒程度区分)の試験内容と日程』は2026年度の受験案内に基づきます。専門試験の選択科目は、行政法・刑法・経済理論から1科目を選びます。

※ 「試験の実施結果」の実質倍率は、(第1次試験の有効受験者÷第1次試験の合格者)×(第2次試験の有効受験者÷最終合格者)で計算しました。総合職試験の特例を希望した人を含みます。2025年度は、同じ資料の前年度版によります。